キーパー飼育日記
クラシック鑑賞はじめました
蹄の割れ
アフリカゾウの媛はリカや砥愛と比べると少し神経質な性格をしていて、フラストレーションがたまってしまうと物や壁を蹴ったり、牙を壁にぶつけるなどの行動をしてしまいます。その度に牙は欠け、足には擦り傷や裂傷ができてしまい、常に足と牙の治療をしている状況が続いています。これまでもできるだけストレスをためないように、夜は寝室の扉を開放して運動場との出入りを自由にしたり、タイヤの遊具や自動給餌機を設置したりと対策をしてきましたが、なかなか問題行動を減らすことができませんでした。
そこで今回、新たな試みとして始めたのは「クラシック音楽」です。人がクラシック音楽を聴くことでリラックスすることはよく知られていますが、クラシック音楽には犬でもリラックス効果が得られたり、畜産業界でも牛の乳質や肉質が良くなるといった話もあるようです。今回は夜に音楽を流すこととし、ゆっくりとしたテンポの曲を15曲ほど選んだスペシャルメドレーを媛に聴かせるようにしました。
肝心の効果はと言いますと、まだ十分なデータが得られていないため結論付けられませんが、担当者の感覚として音楽を流す前よりも媛が横になって寝る時間が長い日が多くなり、足と牙にできる傷も減少したように思えます。もちろん担当者自身も心穏やかに仕事ができる気がしてなりません。今後も媛のストレス軽減のためクラシック音楽のリラックス効果を検証していきたいと思います。
(アフリカゾウ担当 兵頭佳夫)
足の擦傷