愛媛県立とべ動物園

お知らせ

園内の野生タヌキの生活

 とべ動物園は自然豊かな丘陵地にあり、動物園内では飼育している動物だけでなく、野鳥や野生のイタチ、ヘビなどを見ることができます。動物園の周囲はフェンスで囲まれていて、野生動物は簡単には入れないようになっていますが、閉園後の暗くなった園路をタヌキが走っているところを目撃することもあります。
 今回、園内に生息していると思われる野生のタヌキたちの生活を調査するため、1月28日から10日間、野生動物を感知して作動するセンサーカメラを仕掛けてみました。カメラを設置した場所は、職員でもめったに行くことのない園内の林の中で、タヌキのため糞(ふん)がある場所です。ため糞とはタヌキのトイレのことで、複数のタヌキが共同で利用します。ため糞はタヌキの情報交換やコミュニケーションの場となっています。
 カメラを回収し、映像を確認してみると、カメラを設置した当日からタヌキがやってきて糞のにおいを嗅いだり、くつろいでいる様子が夕方から明け方にかけてほぼ毎日記録されていました。映像では2頭一緒に行動していて夫婦と思われるタヌキと、常に1頭で行動をしているタヌキの少なくとも3頭のタヌキがため糞を利用していることが確認できました。また意外なことにノウサギがカメラの前を横切って行く姿も記録されました。
 タヌキとノウサギたちがいつから動物園の住人になったか定かではありませんが、園内で生活している様子を垣間見ることができ少しほっこりした気分になれました。これからものんびりとタヌキたちの生活を見守っていきたいと思いました。
 みなさんも動物園で野生動物を見かけた時はそっと見守ってあげてくださいね。
(濱田純基)