愛媛県立とべ動物園

お知らせ

アカカンガルーのシソ

 昨年の11月1日に顔出しを確認し、その後11月20日の朝、袋から出た状態で発見され両後肢が骨折していたため、人工哺育となったアカカンガルーのシソ(♀)ですが、自宅に連れて帰り3時間毎に1日8回の哺乳(犬用ミルク)をしていた事は、今では素敵な思い出です。
 3月22日からは自宅から動物園での飼育に切り替えて、新たな動物園暮らしがスタートし、トラ舎キーパールームでの哺育になりました。その後群れ復帰の準備としてペットサークルを用意し本格的な肢のリハビリが始まり、5月13日には骨折した後肢を注視しながら、人工哺育を始めて175日目にようやく群れ復帰となりました。初めは孤立感もありましたが少しずつ仲間とも馴染んできた様子です。
 そんな中、5月24日にはシソの妹か弟であるワサビが母親のカブの袋から顔出ししました。そのワサビ、6月19日には早朝に地震が発生した影響なのか、朝確認すると袋から出ており自力で戻れない状態であったため袋に戻しました。一瞬シソの様に人工哺育になるのではないのかと不安がよぎりましたがその後の経過を観察していると、カブの子育ても安定し、ワサビも袋の中ですくすくと成長しています。
 現在、シソは昼に一回、哺乳をしていますが7月中には終了の予定です。両後肢の骨折、当園の人工哺育で飼育した個体の中では一番小さい体重の690gで哺育が寒い季節だった事など「いばらの道」ではありましたが、お陰様で何とか群れに戻す事が出来ました。現在の体重は7.25㎏。次の目標はシソの袋から新しい命が顔出しする事です!!
(アカカンガルー担当 竹箇平昭信)

お母さんのカブに見守られながら哺乳中。

哺乳瓶をポケット入れて準備万端。