昨年11月に「子ガモじゃないよ」とご紹介した保護鳥獣舎のコガモですが、年末年始にかけて愛媛県内で発生した高病原性鳥インフルエンザの感染予防のために野生の小鳥たちと接触しないバックヤードにカルガモやウミネコと一緒に一時的にお引越しをしています。冬を迎えてきれいな繁殖羽へとすっかり変身を遂げたのに、現在は皆様にご覧いただけないのがとても残念です。
ここ数年鳥インフルエンザが猛威を振るうようになったため、水鳥たちのお引越しも冬の風景の一つとなり、繁殖羽への変身も毎年こうやってお知らせするのが定例となった感じがあります。
カモの仲間は繁殖期の冬にオスが美しい繁殖羽に変身し、メスに猛アピールして思いを遂げる種がほとんどで、その代表格が「オシドリ夫婦」で知られるオシドリですが、このコガモもなかなかおしゃれな繁殖羽を持っています。顔の周りの勾玉模様の緑とそれを取り巻く赤褐色のコントラスト、腰の部分の黄色などはよく言われるところですが、個人的に非常に魅力を感じるのは後ろ頭です。ちょうど後ろをキュッとつまんだように見えるのがとても可愛らしいと思って撮影に挑戦しましたが、警戒しているのか、どうしても真後ろを向いてくれません。「俺の後ろに回るな」と劇画の主人公のようなオーラを出しているようにも思えました。何枚か撮った中でとがった後ろ頭の感じが伝わりそうなのがこの一枚ですが、いかがでしょう?「キュッとつまんだ感」をわかっていただけるでしょうか?
一日も早く鳥インフルエンザの流行が終息し、保護鳥獣舎で美しいコガモの繁殖羽とキュッとつまんだっぽい頭を見ていただけるようになるのを願っています。
(保護鳥獣舎担当 田村千明)
2021年11月最新ニュース「こどもじゃないよ」
https://www.tobezoo.com/tobetopics/2021/11/285922.html