愛媛県立とべ動物園

動物紹介

今月のアイドル

フンボルトペンギン

今月のアイドル動物は、「フンボルトペンギン」です。

 今回紹介したいのは、フンボルトペンギンの「カワイ」くんと、その子供の「ヒフ」です。
 年明け早々1月1日に巣箱から時々ピーピーと鳴き声がしていましたが、まだ卵の中で嘴打ち(孵化する前に、ヒナが内側から卵の殻を嘴でつつくこと)をしているだけのようでした。翌日、巣箱を覗いてみると、グレーのふわふわした小さなヒナが見えました。このヒナのお母さんはベテランさんです。お父さんである「カワイ」くんは初めての子育てなので少し心配しましたが、なんのなんの!お母さんより懸命に子守をしていました。
 ペンギンは夫婦で子育てをします。交代で餌を取りに行き、また子守をします。「カワイ」くんは一心不乱にヒナを温め、餌を取りに行かないのでプールに入ることもなく体中うんちまみれに汚れてもヒナを守っていました。
 「ヒフ」と名付けたヒナの成長はめざましく、3月中旬になると巣箱から外の世界に出るようになりました。冒険の始まりです。そんなある時の「カワイ」くん、よその巣箱は危ないから近づくんじゃないよ!とでも言っているかのように、違う巣箱に近づく「ヒフ」の後をついて行き、またある時は、アオサギが近づこうものなら、あっちいけー!と勇敢に追い払い、感心するほどの子育てっぷりでした。「ヒフ」が巣箱から出始めて間もなく、プールにも入り始めました。ドボン!と入水したものの、あれ?今のなんか変…??よくよく見ると、足からダイブしていました。思い出してください、ペンギンが水中に入る時どうやって入っているでしょうか。そうです、頭からスゥーと入っていますよね。「ヒフ」はまだ入り方が分からず、足からの飛び込みをしていました。数日で頭からの入水を覚えたため、現在は見ることはできませんが、とてもかわいい光景でしたよ。
 次は、自分での餌取り練習です。そろそろ出来る様にならなくはいけませんが、これまたやや過保護気味の「カワイ」くんのおかげ?で、餌を分け与えてもらっているらしく、のんびりしているようです。
 とても優しい父、「カワイ」くんと、好奇心旺盛だけどどこかのんびりな「ヒフ」に会いに来て下さいね!
(フンボルトペンギン担当 岡本こず恵)

妻子を守るカワイくん

アオサギを追い払うカワイくん