愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

脱出ゲーム?

左:こひめ 右:こまり

 とべ動物園のこども動物センター内では、ハリネズミを4区画に分けて飼育、展示しています。展示ケースの上段には「こまち」とその子どもの「こまり」と「こひめ」が、下段には「ここあ」とその子どもの「こうちゃ」が暮らしています。それぞれ親子の間には木で作った仕切り壁を設置しています。
 そんなハリネズミたちに対して実は悩みがあるんです。それは朝来ると「こまり」と「こひめ」が隣の「こまち」の部屋に移動していて添い寝をしているのです。それもほぼ毎日…。一体どうやって壁を越えているのかと考えを巡らせました。最初に考えたのは壁と扉の僅かな隙間からすり抜けているのかと思い、壁を補修して隙間を埋めてみました。それでも翌日には移動しているではありませんか(泣)。ならばと次は隠れ家(当時は大きい箱型を使用)を足場にして壁を乗り越えていると予想し、竹を用いて作ったかまぼこ状の隠れ家に変更しました。そして翌日確認すると越えてはいませんでした。そうです!彼女たちは隠れ家を足場にして壁を乗り越えていたのです。
 壁の高さは約30㎝あります。到底この高さを超えられないと思っていましたが、それを乗り越えるのですからハリネズミの身体能力の高さと、足場にするという賢さに改めて驚かされました。夜の間にこんな脱出劇が繰り広げられていると思うと、微笑ましくもあります(笑)。
(ハリネズミ担当 鍋嶋紀尚)

展示風景(変更前)

展示風景(変更後)