愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

キリンフィーダー

穴に舌を入れて食べています

 皆さんはフィーダーというものをご存知ですか?一言でいうと動物の給餌器で、中にエサを入れてそれを動物が取り出して食べるというものです。このフィーダーにちょっとした仕掛けや細工をすることによって、動物の採食時間を延ばし退屈な時間を減らすことができたり、思考能力を高め生活に刺激を与えることができます。
 そんなこともあって、キリンにもフィーダーを作ってみました。このフィーダーは、以前福岡県にある大牟田市動物園でキリン研究会が開催されたときに教わったもので、塩ビ管に穴を開けてキリンが舌を入れて中のエサを食べるというものです。塩ビ管の中に障害物を付け加えることによって少し食べにくいようにしているのもポイントです。
 さっそく柵に設置してみたところ、リュウキが迷わずやってきて中のエサを舌を上手に使って食べ始めました。警戒心が強いとされるキリンですが、食欲と好奇心が強いリュウキにとっては初めて見るこのフィーダーに対して恐怖心などはなかったようです(もう一頭の杏子はやはり恐る恐る近づくといった感じでした)。最初に作ったフィーダーは5分ほどで中のエサを食べ終えてしまったのですが、次に作ったもう少し食べにくくしたフィーダーは同量を11分もかけて食べてくれました。
 これはチャンスということで、リュウキがフィーダーでエサを食べている間に杏子の健康チェックを行います。どうしても二頭が一緒にいるときに何かしようとしても、体の大きなリュウキが優先的にやってきてしまうため杏子だけとのコミュニケーションが難しかったのです。このように様々な利点があるフィーダーですが、今後更なる工夫を凝らしてキリンにより良い日常を送ってもらえるようにしたいと思います。
(サバンナ担当 宮越聡)

こんなフィーダーです

リュウキが食べている間に杏子の健康チェック