愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

速い翼、ハヤブサ

 動物病院では、衰弱して飛べない状態で昨年保護された、迅(じん)という名前のオスのハヤブサを飼育しています。ハヤブサは時速300キロ以上の速さで急降下し、ほかの生物を捕食する猛禽類です。日本の留鳥ですが、生息数は減少していて環境省レッドリストでは絶滅の危険が増大している種に分類されています。
 保護時の検査で骨に異常は無かったものの翼が垂れ下がっており、何かに衝突して神経や筋肉を損傷したと思われました。しばらく安静に過ごした後に、リハビリとして飛行トレーニングを始めました。トレーニングでは、順調に飛行距離を伸ばしていますが、後遺症で飛力は弱く、野生復帰は厳しい状況です。
 それでも、迅の飛ぶ姿はカッコいい!!この姿を通して、ハヤブサやその現状に興味を持って頂けたらと思います。現在は、トレーニングなどを保護鳥獣舎横の広場でも不定期に行っています。見かけた際にはぜ応援してくださいね。
(獣医師 中山晃子)

ハヤブサの迅くん

トレーニングの様子