愛媛県立とべ動物園

飼育日記

キーパー飼育日記

春が待ち遠しい

保護されたカッコウの仲間

 カッコウの仲間のエサは、昆虫やクモなどです。夏鳥として春に日本に飛来し、エサの少なくなる冬には南に渡っていきます。また、托卵(たくらん)といって、母鳥が他の種類の鳥の巣に卵を産み、その巣の持ち主に子どもを育ててもらう習性があります。
 この個体は、衰弱し、飛べないでいたところを保護されました。始めは自分でエサを食べず、職員が口に虫を入れて食べさせていましたが、もともと食欲が旺盛だったのか数日後には自分でエサを食べられるようになり、11月には体力もついて飛べるまで回復しました。
 しかし、回復した時には野山にエサはなく、放鳥する時期を逸してしまいました。この冬は動物園で英気を養い、仲間たちが渡ってくる来春には元気に野山を飛び回ってほしいと思います。
(獣医師 池澤紅輔)